この半年以上、調べ続けていることがある。 いわゆる漢文の語法で、古典の「論語」にも用例がある少し特殊なものだが、あまり日本の解説書で触れられているものが無かった。中国の古典を学んでいた学生時代から気になっていたが、講読の予習に追われる毎日ではさまつな部分にこだわっている時間もなく、今まで流していた。 たまたま以前に読んだ本に、その語法について中国の研究書に載っていると、さりげなく書かれていて驚いた。今年になってからその研究書を手に入れて読んだところ、すっかり面白くなってしまい、それからというもの、ちびちびとネットの論文データベースを調べる日が続いた。夜の寝る前10分くらいだが、日常を離れるのは楽しかった。 そうするうちに、とうとうこの件では一番早い研究で1960年代の中国の論文があることがわかった。古巣の旭川市中央図書館資料調査室に頼んでコピーを取り寄せてもらおうとしたが、国内の大学図書館では、ちょうどその論文が掲載されている号がないという。 諦めかけたところで、国会図書館のウェブサイトに紹介されている中国のデータベースで、メールアドレスを登録すれば無料でダウンロードできるとアドバイスを受けた。私もダウンロードサイトを見つけていたが、有料のものばかりでそのサイトは気づかなかった。自分で気づけず少し悔しい思いをしつつ、古巣の頼もしさも実感した一件だった。
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