北海道新聞旭川支社
Hokkaido shimbun press Asahikawa branch

北極星

大橋賢一(道教大旭川校准教授)*北京での講演  2016/04/23

 僕は北海道教育大学大学院在学中の1996年秋から約1年間、北京師範大学に留学していました。同学は中国の名門で魯迅らも教鞭(きょうべん)をとったことのある由緒ある大学です。

 現在、その外国語言文学学院の日本語学科に友人の劉玲先生が務めています。光栄にも3月末に同学で講演する機会をいただいたので、1時間ほどお話しをしてきました。

 劉先生の教え子は日本語を専門としていますから、日本語が使えると思っていたのですが、一般にも公開されていた講演だったようで、日本語の全くできない参加者が数名いらっしゃって驚きました。結局、日本語と中国語をまぜこぜにしながらお話ししました。

 講演の題目は「中国古典の訓読と日本語との関連性について」です。訓読を通して日本語と中国語との違いが確認できますよ、という内容でした。また江戸の俳人がどれほど唐詩に影響を受けていたのかもお話ししました。

 みなさん、ときどきほほ笑んだり、うなずいたりしながら、とても熱心に聞いてくださったので、僕も熱が入りました。

 講演終了後、1人の学生が「古典はつまらないものだと思っていましたが、先生の話を聞いて面白いものだと分かりました」と言ってくれたときは、してやったりと、ほくそ笑みました。

 古典の魅力を伝えることは日中ともども難しいことですが、今後もねばり強く続けていくつもりです。


戻る