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北極星

稲荷桂司(旭川・公務員)*定番  2016/03/11

 子供のころ、お菓子などは新製品とみるとつい目がいってしまうタチだったが、日常使う道具などは定番と決めたらずっと使い続ける方である。歯磨き粉やシャンプーもそうだし、文房具などもそうだ。

 ボールペンなどはP社の水性顔料インクのものを高校生の時から愛用しており、1本100円と高いものではないが、なめらかな書き味と墨を思わせるマットな発色が気に入っていて、職場・自宅を問わず使い続けている。20年以上前からの製品なので最近は店頭で売っておらず、手持ちが無くなるたびに10本パックの箱を取り寄せている。

 ただ、さすがにこれだけ長く使っていると、いつ製造終了してしまうかちょっと怖い。たかがボールペンとはいえ、使い慣れた物が変わってしまうと日常生活の一部も変わってしまいそうに感じる。

 だから万が一、無くなったときの保険に、似たような次の愛用品候補を探したこともあるが、これといったものは見つからない。当面いつもの品が手に入る以上、次の候補を探すのは、ある意味浮気なのでどうしても本腰が入らないのだ。結局は不安を抱えながらもこれまで通りの日常に満足している。

 もとよりモノにこだわりすぎるのはよろしくないが、自分で多くの中から選んだ品を使い続けるのは、結局自分と向きあうことにもなる。そう考えるとこだわりもまんざら悪くないと思ってしまうのだ。


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