暴風雪に見舞われた厳しい冬もそろそろ終わりが近づき、ようやく弥生の月に入った。 26日には新幹線が北海道の玄関口である道南まで来るという。とてもめでたく、うれしいことだ。 薄緑色に紫のラインと白の美しい車体が雪景色の中を滑るように突き進む…。と想像してみるが、道北の街に住んでいる私にはいまいち実感がわいてこない。テレビや新聞では新幹線にちなんだ話題があれこれと流れているが、どこか遠い所の話としか思えない。 本州と北海道をつなぐ太い血管にいよいよ血液が流れ込み、活力がみなぎるのだろう。しかし、過疎化の進む末端の町までの毛細血管は切り捨てられようとしている。 血が通わなくなれば、冷え症はますます深刻な事態となってしまうのではないかと、そちらの方が気にかかる。 移りゆく時代を嘆いていてばかりはいられない。知恵を絞り新鮮な血の流れをわが街まで呼び込まなければと、漠然とではあるが思うのだ。 何はともあれ、時の流れに乗り遅れないためにも、まずは新幹線に乗ってみようかな? 実感を得るための一番の近道だ。
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