今年もたくさんの年賀状をいただきました。何枚かの寒中お見舞いの中に「当山住職(父)工藤浄真が遷化(せんか)しました」とありました。 遷化とは「魂が体から抜け出て仙人になる」「高僧が死ぬこと」と辞書にありました。 浄真さんを知ったきっかけは2007年9月15日付北海道新聞。「仏の教えで安らぎを 電話説法の100話1冊に」の見出しで、当時77歳の浄真さんが「心にやすらぎを第三集」を自費出版したという記事を目にし、1冊注文しました。「悩みや心配事がなさそうな人にこそ、いつ何が起きるか分からないので読んでもらいたい」。お客さまに見せたところ、2人の方が「私も欲しい」と言い、追加注文したのが縁で、それから文通が続きました。便りに「お会いしたいですね」と互いに時々書き合ったりもしたものです。 浄真さんは昔、学校の先生でした。教え子との同窓会の席で当欄「北極星」が話題になったこともあったそうです。出席した教え子が私の店を訪れ、「先生がまきさんに会いたがっていたので、僕が代わりに来ました」と話してくれたことを思い出します。 電話説法のほか、はがき通信も年に数回送っていただきました。いつも優しい思いやりに満ちた添え書きが楽しみでした。 「何事にも無駄のない道しるべに思いを『いやす』は幸せものです」 こんな句も、 「箸とらば親と先祖の恩思いおのが力で食うとおもうな」 「山ほどもある小言をば後にしてまずは着せて食わせる親心かな」
浄真さんいつも守ってくださいね。知り合えて感謝です。
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