北海道新聞旭川支社
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北極星

福嶋匡洋(羽幌・臨床心理士)*2016年問題  2016/02/05

 昨年「2016年問題」という言葉を新聞やテレビで度々見聞きした。20年の東京オリンピックに向けた改修などを理由に、首都圏の競技場や大型施設が多数使用できなくなり、さまざまなイベントに支障が出るという問題だ。人生の半分を東京都民として過ごしてきたが、道民である今、人ごとに思えた。そんな私にも「2016年問題」が迫っているとも知らずに…。

 それは新年とともに突然やって来た。ふと携帯電話を見ると、年月日が全て「-」になっていた。手動で修正しようにも、2016年と入力できない。内蔵カレンダーも15年12月31日までしかなかった。

 私の携帯電話は御年10歳になるいわゆるガラケーだが、当時は時代の最先端を走る機種として大流行した。テレビやラジオ、ミュージックプレーヤーにもなり、パソコンやカーナビと無線接続もできる。他にもいろいろ機能があり、意外にも旧時代の遺物となった今でも機能する。「こだわりがあるんですね」と人は言うがそうでもない。スマホ社会になり、ガラケーを人前で出す恥ずかしさはあるが、タブレット端末があるので実際に困りはしない。約10年故障知らずだし、買い替えも面倒だし…と今に至る。

 今、私のガラケーは2度目の2010年を歩んでいる。うるう日が過ぎたら2011年にタイムスリップする予定だ。なぜって? それで月日・曜日が今年と一致するのだ。うん、これでよし。…いやいや、面倒だな。いまさらだけどスマホにしようっと。


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