リニューアルされた放飼場で気持ちよさそうに過ごすフラミンゴ
夏期開園に合わせフラミンゴ舎がリニューアルオープンしました。3シーズンぶりに広い放飼場に出たフラミンゴたちは毎日気持ちよさそうに過ごしています。 改良点は大きく二つあります。一つは放飼場全体を大きく網で囲いました。これまでは屋根のないオープンな施設だったため、「風切羽(かざきりばね)」という飛ぶための硬い羽根を切っていました。この作業は春の開園前と、切った羽が生えそろう夏場にもう一度、一シーズンに2回行っていましたが、切るためには一羽ずつ捕獲しなくてはなりません。当然フラミンゴたちにストレスをかけてしまうことになり、作業中にけがをさせる可能性もありました。さらにミンクやカラスなどの侵入を防ぐために側面もがっちり補強しました。こうした改修を行うことで夕方、フラミンゴを屋内に収容する必要がなくなり、期間中は常に外で過ごせるようになりました。 二つ目はプールのふちに泥場を作りました。フラミンゴは湖の浅瀬でバケツをひっくり返したような形の巣を砂や泥で作ります。巣材を確保したわけです。 ストレスが少ない環境と巣作りのための泥場。どちらも繁殖に向けての取り組みです。というのもこれまで旭山動物園でフラミンゴが繁殖したことはなく、前例なき挑戦です。「環境が整えば自然に繁殖」と思っていたのですが…。 オープンして3カ月が経過、環境には慣れ落ち着いていますが、泥場はお気に召さないらしくあまり寄り付きません。泥場に三つある巣のような盛り上がりは私が作りました。ダミーを置けばやる気になるかも―といった苦肉の策です。フラミンゴの数? オスメスの比率? 泥場の広さ? 泥質? そこは野生動物、簡単ではなさそうです。試行錯誤が続きます。 正門から入るとまず目に飛び込む色鮮やかできれいなフラミンゴ。来園者を真っ先にお出迎えする彼らの今後を気長に見守ってください。これからも旭山動物園とフラミンゴの巣が盛り上がっていきますように…。(カバ・フラミンゴ担当 副園長・中田真一)
|