今季から屋内での冬の展示が始まったカピバラ
今冬は雪が少なく、獣舎周りの除雪が楽でいいなと思っていたら、1月半ば過ぎからどんどん雪が増えて例年と変わらない量になってきました。「やっぱり冬はこうでなくちゃ」という思いと「除雪はつらい」という思いが半々です。 さて、今回は冬のくもざる・かぴばら館についてです。ここで展示しているジェフロイクモザルとカピバラは、野生では中南米の暖かい地域に生息している動物です。そのため寒さが苦手で、冬期間は屋外に出ることができません。冬が終わり、ある程度気温が上がるまで、屋内のみでの飼育となります。 夏季はクモザルとカピバラを同じ場所で展示する「共生展示」を行っていますが、屋内では広さや構造の関係から別々の部屋で飼育。それぞれガラス越しに観察できるようになっていて、屋外よりも近い距離で見られます。これにはこれの良さがあるのですが、動物たちには窮屈な思いをさせてしまうので、やはり雪解けは待ち遠しいですね。 カピバラを冬季に展示できるようになったのは屋内展示施設「かぴばら館」が完成した本年度からです。以前は冬の展示をしていませんでした。このかぴばら館、広くはありませんが、給湯器が新たに設置され、温かい水が出せるようになりました。カピバラは「半水生」と言えるほど水中に適応しており、本来はよく水に入るのですが、冬はプールの水温が低くなってしまうので、水に入るのは排せつ(基本的に水中にします)の時くらい。しかもお尻だけといった感じでした。 給湯器でほどほどに温度をあげた水をプールに張ると、待ってましたと言わんばかりに入っていきます。冬も気持ちよく水に入れるようになり、よりカピバラらしい生活ができるようになったと思います。 展示室では大きなガラス越しにかなり近くで見られ、体の細かい所までじっくり観察できます。カピバラの大きさや存在感、ぜひ間近で感じてみてください。彼らのゆったりした雰囲気もあいまって、時間を忘れるほど見入ってしまうかもしれませんよ。(クモザル・カピバラ担当 中野奈央也)
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