母の結と仲むつまじい様子のアミメキリンの赤ちゃん
アミメキリンのゲンキ(雄、11歳)と結(ゆい)(雌、4歳)の間に待望の雄の赤ちゃんが10月8日に生まれました。 結は出産前の兆候もあまり見られず、出産予定日まで1週間あったので「もう少しかなぁ」と思っていましたが、朝『きりん舎』に行くと立っている赤ちゃんの姿がありました。 赤ちゃんは、まだおぼつかない足取りで歩いておっぱいを飲みに行ったり、結は赤ちゃんの体をなめたりと、母子ともに元気な様子が見られました。 出産前、飼育担当者としては「今回初めての出産の結がちゃんと子育てできるだろうか」「体の小さい結が無事に出産できるだろうか」など、心配や不安が大きかったのですが、結はしっかりと子育てをし立派なお母さんをしています。 赤ちゃんも生まれた時には担当者より小さかった体長が、今では見上げる程の高さとなり、外や室内で元気に走り回ったり、少しずつ大人のキリンと同じ餌を食べるようになってきたりと、すくすくと元気に成長しており、心配が杞憂(きゆう)に終わりホッとしています。 旭山動物園でのアミメキリンの繁殖成功は20年ぶりです。20年前というと、くしくも自分が飼育員として旭山で働き始めた年でもあるのですが、この間には、1999年のマーナ(雌)、2004年のタミオ(雄)の死亡、06年のマリモ(雌)、08年のゲンキの来園、12、13年のマリモとゲンキの間の2頭の子の死亡、14年のマリモの死亡、15年の結の来園とさまざまな出来事がありました。そのため、今回の赤ちゃん誕生には、喜びもひとしおです。 キリンは群れで生活する動物なので、親子3頭で一緒にいるところが見たいのですが、ゲンキが結をしつこく追い回すため、3頭一緒にすることができず、現在は交代での展示となっています。 これから冬本番。キリンが本来生息しているアフリカのサバンナとは違い、雪が積もり、気温も氷点下となります。赤ちゃんは室内で過ごす時間が多くなりますが、天候や体調を見ながら少しずつ冬の旭山の環境に慣らしていこうと思っています。(きりん舎担当 丸一喜)
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