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旭山動物園わくわく日記

クジャクのひな*5羽守るためネズミと格闘   2017/11/27

 実は私はネズミが大の苦手。今春、動物園に異動してきた時、飼育員の仕事でネズミと関わることは全く頭にありませんでした。ところが園内のどこの獣舎にも大抵ネズミが潜んでいて、実際姿を見なくても、その痕跡はあちこちで見つかり、実物に遭遇する機会も意外と多いのです。

 私の担当はクジャクですが、今年人工ふ化でひなをかえし、5羽が元気に成長しています。ひなを育てるのは初めての経験で、ほんの数カ月の間にもたくさん不安が出てきました。中でも一番心配だったのは、ひながネズミに襲われてしまうことでした。

 まだ止まり木から飛び移ることができない時期に、ひなたちが寝込みを襲われたらひとたまりもありません。やはりひなが過ごす獣舎の理想は、ネズミがいないことです。かくしてネズミの捕獲作戦、闘いが始まったわけですが、最初はネズミ捕りの使い方が分からず、捕獲してもその後どうしたらいいのか分かりませんでした。

 そして、捕っても、捕ってもネズミは根絶できない…。ひなたちが一人前に飛べるようになった今、襲われる心配は大分減ったのですが、ネズミの捕獲は継続中です。ただ、今でもクジャク舎に行ってネズミ捕りにネズミがかかっていると、見なかったことにしてしまいたくなります。そんな私もいつかネズミに慣れる日が来るのでしょうか。

 とにもかくにも今は5羽が無事元気で育っていることが何よりで、その成長には目を見張るものがあります。少し前までは大人たちと分けて別の空間で飼育していましたが、寒い時期に入ってからは大人たちと同じ室内の空間で過ごしています。

 エサを食べているときに大人たちに邪魔だと追われたり、止まり木から振り落とされたりと少しハラハラしてしまうような場面もありますが、ひなたちは要領よく、たくましく環境にうまく適応してくれたようです。来春、また外の放飼場に出る時には大人と見分けがつかないくらい大きくなっていることと思います。どれが去年生まれのクジャクかな、とじっくり見てください。(クジャク舎担当 桜庭沙耶葉)


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