北海道新聞旭川支社
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旭山動物園わくわく日記

 「さる山」リニューアル*新遊具で想定外の動き    2017/10/16
今春リニューアルオープンした「さる山」の新しい遊具で遊ぶニホンザルたち

 今年の夏期開園と同時に、「さる山」がリニューアルオープンしました。1999年に完成した施設なので18年ぶりの改修です。

 最初の感想は「空っぽだな~」。新しい遊具などが設置されていますが、工事の際に邪魔になるということで放飼場は、ほぼ何も無い状態でした。しかし、そこには園長がニホンザルのためにと気を利かせて用意した丸太が40本横たわっています。「丸太多いなぁ…。どうしよう」と思いながらも「こうしたら来園者側から見やすいかな」などと考えながら必死に組み立てニホンザルを飼育・展示できる環境をつくりました。

 そして、別の場所に移動していたニホンザルを、リニューアルしたさる山に戻します。当然、環境の変化にサルたちは戸惑っていました。それまで習慣づけができていた寝室へ入れることができません。別の場所での半年間の生活で、習慣が失われてしまいました。新しい遊具も警戒してか、なかなか遊んでくれません。時間が解決してくれることは分かっていたので、慣れてくれるまでじっくり待つことにしました。

 月日は経ち、サルたちも新しい環境に慣れました。すると次の問題が発生。慣れたことにより、想定を超える動きを始めたのです。

 ある朝、さる山に入ると、そこにはへし折れた新しい遊具『ばねばね』が落ちています。とてつもない勢いで遊んだことで、根元の部分が折れたのです。悲劇は続きます。新たに寝室を増築したのですが、室内の電気や暖房器具を守るカバーがぼろぼろにされていたのです。これでは中の機器が壊されてしまうと、使用をいったん中止しカバーを強化することにしました。

 リニューアルに伴い、担当者としてさまざまな仕事がありました。「大変だったなぁ」と思う反面、今まで以上にニホンザルが幸せに来園者が楽しく観察できるようになったと感じています。担当者としてこれほどうれしいことはありません。

 もうすぐ夏期開園が終わり冬期開園になります。世界で最も北に生息するサルで、冬こそ最も魅力的なニホンザルを観察しに、ぜひ遊びに来てください。(ニホンザル・ゴマフアザラシ担当 鈴木悠太)


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