北海道新聞旭川支社
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旭山動物園わくわく日記

 アムールヒョウ*21年ぶりの繁殖に期待    2017/07/17
繁殖を目指し同居するアムールヒョウのルナ(奥)とキン(手前右)

 今年1月からアムールヒョウのキン(雄13歳)とルナ(雌5歳)の繁殖を目的とした同居が行われている。アムールヒョウの寿命は約15年。キンにとって繁殖ができる時間は残り少ないとみられるが、5月には交尾を確認した。ルナが妊娠しているかはまだ分からないものの、飼育員らは期待を持って見守っている。

 旭山にアムールヒョウがやって来たのは1988年。当時、国内での飼育は旭山だけで、91年3月には日本初の自然繁殖に成功、繁殖賞を受賞した。当時のペアのビックとエイラのひ孫にあたるのが、2005年からもうじゅう館で暮らすキンとアテネの双子の兄弟。15年にルナがロシアの動物園から来園し、キンがパートナーに選ばれた。

 ルナは非常に警戒心が強く神経質。同居の開始には1年半かかった。飼育を担当する大西敏文さん(43)は「ペアリングに失敗すれば殺し合うこともあるので、時機を見ていました」。同居が始まると意外にもルナはキンに興味を示し、一安心。しかしキンは無関心で、ルナがしつこくつきまとうと振り払い、かすり傷を負わせることもあった。

 3カ月ほどすると2頭は距離をとりながら平穏に暮らすように。それでも「今年はペアリングは難しいだろう」(大西さん)と考えていた5月、発情期を迎えたためか、2頭の交尾が確認できた。その後、2頭は再び距離をとって過ごしている。

 アムールヒョウはロシア南東部の森林地帯に生息。ただ乱獲や環境破壊で減少し、野生化の個体は現在約50頭と推測される。一方、各国の園の繁殖の取り組みにより、飼育下では200頭以上が暮らす。

 もしもルナが妊娠していれば、出産は8月中旬ごろとなる見込み。繁殖が成功すれば、旭山では1996年以来21年ぶりで、期待は膨らむばかりだ。

 同園は8月上旬から産室を設置した寝室に入れ、カメラで様子を見る予定。大西さんは「交尾の確認は繁殖への大きな一歩。今回の結果がどうであれ、粘り強く取り組み続けます」と話している。(川上舞)


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