夏期開園が今月3日、無事に終了しました。今年はアムールトラとユキヒョウのダブル初繁殖で始まった印象深い幕開けでした。 アムールトラの子はオスがソーン、メスがナージャと命名され、すっかりたくましく成長。今は初めての雪原を無邪気に転げまわっています。ユキヒョウの子、オスのリヒトは母親のジーマと一緒にお客さんが見上げる金網エリアで寝そべり、その姿はもう風格さえ感じます。 ほかにもトナカイやエゾシカ、レッサーパンダの双子などたくさんの動物が命を繋ぎ、子の成長の速さと同じくらいあっという間に夏が過ぎ、気づけば季節はもう秋。そう! まだ「秋」のはずなんです! 4日から1週間のお休みをいただき、一気に冬支度を終わらせるはずが、園内は一面の銀世界。園内管理の業者さんはこの期間、まず園路にたまったたくさんの落ち葉回収から始まるはずが、いきなりの除雪。道具もまだ倉庫の中です。 園路を除雪する重機の契約も済んでいないため全て人力です。園内各所で行われるさまざまな修繕の業者は坂道を登れず園内にすら入れない状態。入ったかと思えば園内のあちこちですべり、現場に行けません。飼育スタッフはエゾシカなどの夏にたまった堆肥の大掃除をしたいところですが、雪に埋もれて手が付けられません。 「そのうち解けるべ! 解けたら、やろ~」なんて考えは甘く、雪は日増しに積もっていきました。また、カモ、ハクチョウ類を飼育している「ととりの村」でも湿った雪は網に張り付いたりするなど、閉園中の冬支度準備は例年以上にてんやわんやとなりました。 11日、たくさんの人たちの力でなんとか冬期開園を迎えることができました。そこで皆さまに朗報です。このままいけば「ペンギンの散歩」はいつもより早く始められそうですよ。このままいけばですが…。 「あぁ天気の神様、早すぎる冬は謹んで受け入れますので、ドカ雪は控えめに、できれば春を少し前倒しに…」なんて願いたくなる秋のドタバタ劇でした。(飼育担当主査・中田真一) |