昨年秋に生まれたオスの赤ちゃんを抱くアビシニアコロブスの母親。白と黒の長い体毛が特徴だ=旭川市旭山動物園提供
旭山動物園のサル舎にはワオキツネザル、アビシニアコロブス、ブラッザグェノンの3種類のサルがいます。野生での彼らは一日の大半を樹上で過ごします。動物園でも日常、獣舎の上の方にいることが多いです。また尾が長いのも特徴のひとつです。 ワオキツネザルは尻尾が白と黒の輪の模様になっているのが名前の由来(輪尾)です。地上を歩くときは尾を一直線に立てて歩きます。原猿類という原始的なサルの仲間で、体温調節が苦手です。太陽が出ると両手を広げ全身で日の光を浴び体温を上げます。また鳴き声はとても大きく、いろいろな声を出して仲間とコミュニケーションをとります。旭山では昨年2匹、今年1匹の赤ちゃんが生まれました。群れも若返り、とてもにぎやかに元気に駆けまわっています。 アビシニアコロブスは白と黒の長い体毛がハッキリと分かれています。性格は臆病者で、野生では葉がよく茂った樹上でひっそりと暮らしています。ジャンプが得意で木から木へピョンピョン飛んで移動します。食べ物は他のサルたちと違って、葉食性(リーフイーター)とよばれ、やわらかい若葉が主食です。こちらも昨年の秋にオスの赤ちゃんが生まれました。赤ちゃんの毛色は親と違い全身真っ白な毛で覆われていて、とてもかわいいです。冬期間は展示できないため成長の様子をお見せできなかったのが残念でしたが、春の開園から元気な姿をお見せすることができました。 ブラッザグェノンは額にオレンジ色の頭巾を被っているような模様と長いあごひげが特徴で「世界一美しいサル」といわれています。敵から逃げるときは泳ぐこともできます。今年、若いメスが仲間入りしました。まだ若いためかオスとのコミュニケーションがうまくいかず、距離をとることが多く見られました。早く慣れてもらうよう、今はゆっくり見守っています。 ワオキツネザルはマダガスカル島、他の2種はアフリカに生息しているため、寒さには弱いです。サル舎は屋内展示場がないため彼らを見るのは今の夏の期間だけです。子供たちの成長や元気に、そして活発に飛び回るサルたちに会いに来てください。(サル舎担当 林 豊枝) |