北海道新聞旭川支社
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旭山動物園わくわく日記

アミメキリン*「お嫁さん」待つ人気者    2015/08/24
人なつっこさで人気を集めているアミメキリンのゲンキ

 長い首と足が特徴的なアミメキリンのゲンキ(雄)は旭山動物園の人気者。えさを食べようと、50センチもある長い舌を伸ばすたびに、観客から歓声が上がる。

 昨年7月にゲンキとの子どもを宿していた雌のマリモ(当時9歳)が急死、現在、園内にいるアミメキリンはゲンキ1頭のみ。

 臆病で神経質な動物といわれるキリンだが、ゲンキは人なつっこくて愛嬌(あいきょう)たっぷり。きりん舎担当の中田真一さん(48)は「いつもマリモの後を追いかけていた」と振り返る。木の高い部分にある葉を雄が食べ、低いところを雌が食べる習性のあるアミメキリン。生前のマリモもゲンキと仲良く食べ分けていたという。

 アミメキリンは25年ほど生きるといわれ、8歳のゲンキは繁殖適齢期。旭山ではマリモに代わる1~2歳の雌を導入する予定だ。中田さんは「ゲンキもどこかさみしそう。いい相棒と出会い、また、えさを食べ分ける様子をお見せしたい」と話す。

 ゲンキはきりん舎で、モモイロペリカンとホロホロチョウと暮らす。ホロホロチョウと一緒なのには理由がある。ゲンキが足元で活発に動くホロホロチョウの後を追いかけて歩くことで、ひづめが削れ、伸び放題になるのを防げるという。

 ひづめの変形は、麻酔をかけて治療することが難しいキリンにとっては、命に関わる。事実、マリモの死も、右前足のひづめが変形したことで骨折、バランスを崩して転倒したことが原因だった。

 これから迎える冬はキリンにとって危険な季節だ。降雪によって転倒のリスクが高まるためだ。中田さんもきりん舎内で除雪作業をこまめに行い、小石をまくなど「足元にはかなり気を使った」。しかし、7年前に旭山に来たゲンキは雪上を転ばないよう上手に歩くといい、「わざと滑りながら歩く。コツがわかっているんですね」と舌を巻く。

 新しい「お嫁さん」は順調にいけば、年内にもお目見えする。中田さんは「早く2世に会いたい」と新たな命の誕生を心待ちにしている。(古谷育世)


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