生後1カ月半のレッサーパンダの赤ちゃん(旭山動物園提供)
例年より短い閉園期間を終え、なんとか冬期開園を迎えました。今年(2014年)生まれたレッサーパンダの雌の赤ちゃん「友友(ヨウヨウ)」も、閉園中に屋外にしっかり慣らして、冬期開園と同時に完全屋外デビューを目指し、今では屋外で元気に過ごしています。 お母さんの栃(トチ)は、以前いた山口県周南市の徳山動物園時代を含め、これで5回目6頭目の繁殖成功です。13歳の高齢出産でしたが、なんとか子育て期間を乗り切ったようです。 レッサーパンダは約150グラムの小さい体で生まれてきます。色も灰色でレッサーパンダらしくない模様です。お母さんは約3カ月間、つきっきりで子育てをします。屋外には出せないので室内で子育てし、親が安心できるように他の飼育係も極力寝室に入らないでもらいました。その期間は赤ちゃんの成長を担当者の自分だけが観察できます。毎日の体重測定(1日30グラムほど増えていきます)で少しずつレッサーパンダらしくなっていく様子を一人で見て楽しんでいました。 生後3カ月の10月末からは、まずお父さんのノノとお姉さんの栄栄(ロンロン)と顔合わせ。その後、外に慣らしていきました。最初はおっかなびっくりでしたが、すぐに外を跳ね回り、今ではお姉さんと遊んで活発な様子を見せています。 お姉さんもいずれは他の動物園にお嫁に行くと思うので、一家4頭を一緒に見られる今のうちに、ぜひ動物園に足を運んでもらえればと思います。 旭山のレッサーパンダ繁殖は、ノノと栃のペアではこれでおしまい。来年(15年)からはチャーミンと渝渝(ユーユー)のペアにバトンが移ります。年明け1月から3月がレッサーパンダの繁殖期(交尾期)です。どこかよそよそしい若い2頭のペアが、これからどう変わっていくかが楽しみです。(小獣舎担当、獣医師、中村亮平) |