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繁殖のため借り入れているレッサーパンダのチャーミン |
雄のレッサーパンダ「チャーミン」(2歳)が2月、福井県鯖江市の西山動物園からやってきた。繁殖用に借り入れ、飼育中の雌の渝渝(ユーユー)(2歳)と、つがいになることを目指している。現在は互いの姿が見える隣同士の寝室で暮らし、“お見合い”している。 動物園の役割には展示、教育活動、野生動物の研究などとともに繁殖がある。繁殖は園内の動物同士では血統が偏る懸念があり、新たな動物を購入するには種によって高額となる。そこで、目的の動物を飼育する動物園から繁殖のために借り入れることがよく行われ、「ブリーディングローン」(繁殖のための借り入れ)と呼ばれている。 レッサーパンダは国内50園で約200頭が飼育されている。絶滅危惧種でもあり、繁殖による種の保存が課題だ。 旭山動物園はレッサーパンダ5頭を飼育。チャーミンのお見合いが成功すると、ペアはノノ(雄11歳)と栃(トチ)(雌12歳)に続き、2組目となる。担当飼育員の中村亮平さん(32)は「子供を産んでもらい、次世代につなげていくのが飼育員の目標の一つ。そのためにはまず、健康に気をつけて飼育していきたい」と意気込む。 チャーミンは来園後、竹やニンジン、バナナなど餌をしっかりと食べ、旭川の寒い気候にも慣れた様子。ただ、つがいとなる渝渝との相性を見極めるため、展示施設などでの同居はまだしていない。 レッサーパンダは通常6~8月に出産する。チャーミンと渝渝は早ければ今年にも初の子供が期待される。中村さんは「まだ若いペアなので、あせらずに2頭のペースで繁殖を目指したい」と話している。(佐藤圭史) |