北海道新聞旭川支社
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旭山動物園だより

環境教育*「ボルネオ」通じ子ども成長     2013/04/05
作成に携わった、ボルネオをテーマにしたテキストを手にする佐賀さん

 完成を間近に控える、マレーシア・ボルネオ島の保護施設「野生生物レスキューセンター」。旭川市旭山動物園などと共同でセンター設立を進めているNPO法人「ボルネオ保全トラストジャパン(BCTJ)」(東京)は、ボルネオの自然を守るため、日本の子どもたちへの教育にも力を入れている。

 昨年2月には「環境教育テキスト」を作成。ヤシから採れるパーム油生産のための農場開発により、ボルネオゾウやボルネオオランウータンは絶滅の危機にあることなどを伝えた。テキスト作りには、旭山の飼育員の佐賀真一さん(33)も加わった。

 佐賀さんは昨年度、このテキストを使った授業を旭川の3小学校で行った。テキストを用いた授業は全国で初めてで、旭山でオランウータンを見てもらったりもした。

 ボルネオの自然、動物を守るために何ができるだろう―。佐賀さんの問いかけに、最初は「学校でお金を集めて寄付する」というアイデアを出す子どもが多かった。だが、ゾウが殺されている写真を見たり、パーム油は多くの食品や日用品に使われており、それが無ければ自分たちの生活が成り立たない現実を知ると、真剣に悩み始めたという。

 佐賀さんは「最後には、物は大切に使うなど今の自分にできることを考えるようになってくれた」と子どもたちの成長をうれしそうに話す。

 各小学校では発表会を開くなどして、学習の成果をまとめた。園内の「おらんうーたん館」には、青雲小の児童が作った壁新聞が掲示されている。佐賀さんは「本年度も授業を続けたい」と語る。

 テキストは「熱帯雨林ってどんなもの?」「パーム油ってどんなもの?」の2種類あり、いずれもA4判カラーで400円(税別)。BCTJ事務局で扱っている。問い合わせはBCTJ(電)03・3471・4966へ。(中沢広美)


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