北海道新聞旭川支社
Hokkaido shimbun press Asahikawa branch

旭山動物園だより

読み聞かせの会*絵本の動物 間近で観察     2010/12/03
絵本を使ってカバの生態について説明する中村獣医師と、子供たち

 園内のどうぶつ図書館で月1回開かれている読み聞かせの会が好評だ。動物に関する絵本の読み聞かせの後、本に登場した動物について飼育展示係が生態などを解説する。実際に動物を間近で観察することもでき、楽しみにしている子供たちも多い。

 11月13日に開かれた読み聞かせの会には親子連れなど20人が参加した。「旭山動物園読み聞かせの会」メンバーが、モンゴルの民話「スーホの白い馬」(福音館書店)、カバの生態を紹介する「かば」(フレーベル館)の2冊を情感たっぷりに音読。続いて獣医師の中村亮平さん(29)が絵本に登場した動物に関する話をした。

 「白い馬は1万頭のうち1頭生まれるかどうかで珍しい」「カバはなわばりのためにしっぽを回転させてウンチをまき散らすんだよ」といった中村さんの解説に子供たちは興味津々の表情。カバの獣舎に移動し、実際に天井までふんが飛んでいる様子を見学すると、「飼育係は掃除が大変そう」と驚きの声が上がった。

 ほぼ毎回参加しているという市内の小山内英介君(8)は「動物の詳しいことが分かって面白い。近くで見たカバは大きかった」と笑顔だった。

 読み聞かせの会は1995年から月1回開催されており、現在は市内の主婦ら7人がメンバー。大久保幸子さん(63)は「絵本の中の動物をより身近に感じられる解説が旭山ならではの魅力。大人も楽しめるので、ぜひ多くの人にきてほしい」とPRする。

 読み聞かせの会は毎月第2土曜日の午前11時から。12月11日は「オオカミの森」(角川書店)、「北極熊(ほっきょくぐま)ナヌーク」(BL出版)の2冊を紹介する。(田辺恵)


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