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カエルの卵を見て喜ぶ親子連れ。水槽内は北海道らしさが演出されている |
カエル、ヘビ…と聞いただけで顔をしかめる人もいそうだが、旭山の「は虫類舎」は行列ができるほどの人気施設。展示動物以外にも、飼育展示員・白木雪乃さん(29)手作りの看板やオブジェが彩るアートな空間が見どころとなっている。
は虫類舎は床面積約49平方メートルと小さく、コンクリートの殺風景な外見で来園者にトイレと間違われることもあった。白木さんは担当になった昨年、外壁にトカゲの絵を描き、内部は土をイメージする赤茶色に塗装。ワニの展示部屋にはツタのオブジェを上からつり下げ、ジャングルを演出するなどした。
今年からは展示動物を大幅に入れ替え、道内、国内の固有種を観察することができるようになった。白木さんは「少しでも自然に近い姿を見てほしい」と、展示環境に工夫を凝らす。
水辺にすむエゾアカガエル、エゾサンショウウオの部屋にはシラカバやネコヤナギの枝をさし、コケむした石を配置。身近に見られる川辺をそっくり再現した。
別の部屋には木のチップを敷き詰め、岩や木の幹の上にアオダイショウが登ったり、ミナミイシガメが日なたぼっこする姿を見られるようにした。
生態などの説明看板はイラストをふんだんに使いカラフルだ。「一見地味ですが、何ともかわいい顔にたまらない体形」(エゾサンショウウオ)、「春はカエルにフィーバーできる素晴らしい季節」(エゾアカガエル)と、文章からも白木さんの展示動物への愛を感じることができる。
(田辺恵)
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