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旭山にすっかり慣れた様子のサツキ(左)とコユキ |
札幌の円山動物園から引っ越ししてきたホッキョクグマのサツキ(雌、18歳)が、旭山動物園でコユキ(雌、34歳)と“同居”を始め、1カ月以上が過ぎた。好奇心旺盛なサツキは異例の早さで旭山になじんだ様子で、イワン(雄、9歳)とのペアリングにも期待がかかる。
サツキはホッキョクグマの繁殖を進めるため、道内四つの動物園が共同で取り組む「レンタル移籍」で2月9日に円山から旭山に移された。ホッキョクグマは神経質な動物で、新しい環境に慣れるのに日数がかかるとされるが、飼育係の佐橋智弘さん(26)は「サツキは初日から何の迷いもなくスッと部屋に入った。普通はありえないことなので驚いた」と話す。
プールに浮かぶポリタンクや浮き玉、丸太を投げて遊ぶのが大好きで、心配されていた好き嫌いもなく、肉や魚、リンゴなど1日7・5キロをしっかりたいらげているという。
2月22日からコユキと同じ運動場に出たサツキは、気後れすることなくコユキに近づき、むしろコユキのほうが嫌がって避けたり威嚇したり。佐橋さんは「刺激のない生活よりも意識し合うのが大切」と心配していない。
雄のイワンとは、4月中にも同居の予定。ただサツキは円山でのペアリングでは子に恵まれなかったことから、佐橋さんは「うまく発情期が来てくれればいいけれど」と気をもんでいる。
(田辺恵) |