一口食べれば小麦本来の芳醇(ほうじゅん)な香りが鼻に抜け、甘みが口に広がる。外はカリッと、中は軟らかい「パン・コンプレ」(650円)。日本人には硬いと敬遠されがちな食事パンだが、大きなサイズで焼き上げることで、ふんわりとした食感に仕上げている。
材料は香ばしいフランス産全粒粉と甘みの強い十勝産小麦のふすま(外皮)をブレンド。風味を生かすため、石臼でひいたものを選ぶ。
札幌出身の店主、会津貴史さん(39)の祖父は、後志管内岩内町の老舗パン屋の創業者。札幌や恵庭で経験を積み、昨年8月に「住みたい場所で自分の店を」と木々が広がる景色が気に入った当麻町で開業した。
フランス産全粒粉は、熊本地震で被災した製粉業者から仕入れている。会津さんは「おいしいパンにすることで応援したい」とレシピの研究にも余念がない。(佐々木麻美)
◇営業時間 午前8時~午後3時。パンがなくなり次第終了。不定休。8月は19~22日、30日が休み。(電)0166・56・0377。