北海道新聞旭川支社
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味めぐり

ところてん*高野豆腐店=旭川市8の10八條市場内*創業以来の製法にこだわり    2017/07/28

 暑い夏、つるんとした食感、冷たいのどごしがうまい。1955年創業の老舗。昔ながらの製法にこだわる。原料は、香り豊かな伊豆地方のテングサ2種と地下水と酢。3年前に亡くなった創業者の高野敬吉さんが製法に工夫を重ねたタレとの相性も絶妙だ。

 砂などを洗い落としたテングサと水を大釜で5、6時間炊いて、不純物をこして型に流し込む。24時間、冷たい流水に浸し、200グラムごとにパック詰めする。「いい水がないとおいしいものは作れない。だからここを離れられないの」と妻貞子さん(83)は朗らかに笑う。

 62年の火事で半分が焼失した八條市場に、今も自宅兼店舗を構える。近くの旭川市民文化会館の建設工事で地下水が出なくなった時は、井戸をもう1本掘って危機をしのいだ。定番の木綿豆腐(135円)や厚揚げ(135円)も豊かな地下水があってこそ。貞子さんと店を守る次男敦規さん(50)は「常連さんから愛された父の味を作り続けたい」と話す。(山村晋)

 ◇営業時間 午前7時半~午後7時ごろ。日曜休み。ところてん(145円)は6~9月限定。(電)0166・23・5422。


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