北海道新聞旭川支社
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永瀬充のGO!パラスポーツ

 20*車いすの観戦者対応 残念     2018/10/29

 この1年半、パラスポーツの取材に行く際にバスや鉄道などの公共交通機関を使うことが多くなった。以前は、自家用車での移動が多かったが、今は車いすで公共交通機関をどの程度利用できるかも含めて取材活動をしている。

 先日、全国障害者スポーツ大会の取材のため福井県に行った。国内で開催される最大規模のパラスポーツイベントのため、選手団はもちろんだが観戦者用の移動手段も車いす用に対応されているだろうと期待して行ったが、残念ながらあまり準備されていなかった。

 開会式に向かうシャトルバスに乗ろうとしたが、車いすでは乗れない一般の大型バスだった。車いす対応のタクシーを用意しているということだったが、これが2台しかなく1時間近く待たなければならないと言われた。隣町の試合会場に電車で移動しようとしたときは、階段がある無人駅のため対応できないということで、急きょ実行委員会の車で送ってもらうことになった。実行委員会の担当者と何度か話をしたが、車いすの観戦者が公共交通機関を使って移動するというのをあまり想定していなかったようだ。

 イベントやスポーツ大会を見に行きたいと思っている障害のある人は多くいるはずだ。スポーツをするための環境整備だけではなく、見て楽しむ人たちの視点ももっと大切にしなければならないと思う。


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