北海道新聞旭川支社
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永瀬充のGO!パラスポーツ

 16*試合の生中継 手話で解説     2018/06/25

 3月に平昌パラリンピックの取材をした。会場や輸送、飲食店などがあまり車いす対応になっておらず残念な思いをしたが、日本では見たことのない素晴らしい取り組みもあった。

 江陵駅に設置されているテレビで車いすカーリングの試合が生中継されていたのだが、よく見ると画面右下に手話通訳者を映した小窓があったのだ。日本でも五輪のカーリングは何度もテレビ中継され、あまりルールを知らない人でも解説を聞いて試合展開や見どころがよくわかったはずだ。私も子供のころからプロ野球中継を見て育ち、特に野球のルールを勉強したわけではないが、気が付いた頃にはある程度のルールは自然とわかっていた。

 テレビの音声を聞くことができない聴覚に障害のある人も、解説があった方がよりスポーツを楽しめるはずだ。また視覚に障害のある人も、プロ野球を見に行ったときなどにラジオを聞きながら観戦すると、状況が詳しくわかり、より楽しめる。

 スポーツはプレーする楽しみもあれば、見る楽しみもある。実際に会場で楽しんだり、テレビや新聞などを介して楽しむ場合もある。障害によっては実際に体を動かすことや、会場に行って試合を見ることが難しい人もいるが、どんな人でも生活の中で身近に楽しめるようになってこそ、スポーツ文化が根付いた国と言えるのではないだろうか。


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