北海道新聞旭川支社
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永瀬充のGO!パラスポーツ

 15*競技楽しむ環境づくりを     2018/05/28

 冬季五輪・パラリンピックの招致を目指す札幌市が、その目標を2026年から30年への変更を検討している。もし招致が実現したとして開催まで12年もあると考えるか、12年しかないと考えるか。北海道新幹線の札幌延伸やまちづくりのタイミングに合わせてということだが、五輪・パラリンピックで活躍する選手育成もしっかりと考えなければならない。

 平昌パラリンピックでは日本代表選手の年齢の高さが話題になった。普及が遅れている日本の冬季パラスポーツでは、計画的な普及・強化をしていかなければ、自国開催でも十分な成績をおさめることができないだろう。

 20年東京パラリンピックに向けては、開催が決定してから急にタレント発掘事業などを行っているが、一過性の取り組みに見えてしまう。

 最も大事なことはスポーツ文化がどのように根付くかだと思う。特に、障害のある人が学校や地域のスポーツクラブなどで気軽にスポーツを楽しむ環境はまだ不十分だ。スポーツをするために何時間もかけて移動しなければならない人もいる。どこに住んでいても身近にスポーツを楽しめる環境づくりが重要だ。

 五輪・パラリンピックの開催自体が最終目標になるのではなく、その後何十年と続くスポーツ文化をつくることを目標として招致活動していく視点が大切だと思う。


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