北海道新聞旭川支社
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支社長のぶらり旭川 あっ地こっ地 漫遊記

vol.10 『北の嵐山』     2011/06/10

 「北の嵐山」、と言ってもまだあまり浸透していないかもしれません。去年の夏までは「嵐山 陶芸の里」という名称でした。現在は陶芸の窯元だけでなく、ガラスや染色の工房、クラフトのギャラリー、カフェや雑貨屋さんなどが「旭岡」という閑静な住宅地に溶け込むように点在し、単なる芸術村とはひと味違うユニークなエリアとなっています。緑が多く、空気がおいしく感じられるこの地で、ぶらり歩きをゆっくり楽しみたいと思います。

 旭岡の「北の嵐山」エリアは、旭川市内で最も道がわかりづらい地形と言われています。碁盤の目のように整っておらず、くねくねと曲がって先が見えない場所や坂も多く、初めて訪れる人は自分がどの辺りにいるのか途中で分からなくなるかもしれません。

 そこで頼りになるのが「静望公園」前にあるマップ看板です。昨年、名称が「北の嵐山」と変更されたことを受けて最近新設されたそう。看板には各スポットが落とし込まれているだけでなく、マップ入りのリーフレットを収納した箱が設置され、自由に持っていくことができます。補充されていない場合は、近隣のスポットでもらえるのでお気軽にどうぞ。

 さて、リーフレットを見ていると、「北の嵐山観光連絡協議会」という名前が目に入りました。どうやらこの会が、工房やギャラリーをつなげる団体ということなのでしょう。ちょっと気になり、事務局として記されている『淳工房』におじゃますることにしました。

 「ぜひいろいろなところを見ていってください」と迎えてくれたのは、同会事務局長を務める『淳工房』代表の菅井淳介さん。「工房をやっている人も、カフェをやっている人も、もともとはこの地が好きでやって来たので、みんなで一緒に何かをしようと集まったわけではありません。個々に好きなようにやっていたのですが、分かりづらい地形のため、迷った方が一般の住宅に道を訪ねることも出てきました。そういう迷惑をかけないためにもせめて統一の看板を作ったり、マップを作って配ったりしようと、10年ほど前に発足したのがこの会です」。

 現在は陶芸の窯元のほか、ガラスや染色の工房、クラフトギャラリー、茶室、レストランやカフェ、雑貨店にラーメン店など18軒が同会に加盟。「嵐山 陶芸の里」という名称が実情の一部しか表現されていないとして、昨年「北の嵐山」に名称を変更しました。キャッチフレーズは「工芸・庭園・茶房〜四季折々の里物語」。有名な観光地である京都の嵐山に対し、地域の魅力を端的に表現しようとの苦心がうかがわれます。

 「案内しますよ」という菅井さんの言葉に甘え、工房・お店めぐりへ出発。最初に訪れたのは親子3代にわたり創作活動を行っている『大雪窯』です。雪の結晶などを表現した陶器に、北国の自然の美しさが感じられます。続いては新しい工房『Potta(ポッタ)』へ。白い内壁に日差しが柔らかく反射し、作品同様温かな雰囲気が心地良いギャラリーと感じました。ウッディで個性的な外観が魅力の『北の嵐山 梅鳳堂』をへて、染色の工房『染あとりえ草創』を見学。さまざまな素材や技法を駆使した多様な作品は、見るものを飽きさせません。その後、夏に向け緑深まる景観の中、足を伸ばしたのは遠州流茶道の教室『成名庵』。野趣あふれるお庭もさることながら、上がらせていただいた茶室から眺める嵐山は、絶景のひと言です。

 「北の嵐山」はいろいろなお店が住宅地に混在していて少し迷うかもしれませんが、歩くたびに新しい発見がありそうです。ここには自分の足で歩いてこその楽しみがありますから、家族や友人を誘ってぜひこの魅力を感じてほしいですね。次回は、オサラッペ川を渡り嵐山を歩いてみたいと思います。


『北の嵐山観光連絡協議会』事務局長
菅井 淳介さん
(すがい じゅんすけ)
一期一会

 7月2日(土)・3日(日)には、毎年恒例の「ギャラリーウォーク」を開催します。これは各工房やお店をめぐるスタンプラリーで、スタンプを集めると工房の作品などが当たる抽選会に参加できます。ぜひお気軽に遊びにいらしてください。

お問い合わせ先は
「淳工房」
電話/(0166)53-8512

取材協力「淳工房」
住所/旭川市旭岡2丁目8-1 
電話/(0166)53-8512
営業時間/10:00〜18:00(夏季無休、12〜3月は日曜休み)


いいもの、三塚った!

訪れるたび表情を変える
『フランボワーズ』の
ガーデン

 「北の嵐山」の魅力は、陶芸などの芸術と触れ合えることだけではありません。嵐山の豊かな自然に加え、景観の一端を担っている建物のたたずまいや庭の美しさも大きな魅力の一つと言えるでしょう。
  その代表的なお店がアンティークと輸入雑貨のお店『フランボワーズ』です。自宅の購入と同時に庭造りを始めて約10年、オーナーの西野目みどりさんが「朝から晩まで一人で手入れ」して磨き上げた庭園には、季節ごとに多種多様な花々が咲き乱れ、今では観光バスが訪れるほど人気を集めるようになりました。「一人でやっているお店で不在のこともありますから、庭を見学される場合は事前にお電話をいただければ」とのことです。

取材協力「フランボワーズ」
住所/旭川市旭岡2丁目12-1 
電話/(0166)55-4533
営業時間/11:00〜17:00(月曜定休)



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