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ヒューマン

高村貴子さん(25)*「スカイラン」日本代表の旭医大生*昨年のアジア選手権で優勝*夢は医師続け世界で活躍  2018/05/27
たかむら・たかこ
1993年1月、石川県白山市生まれ。県立金沢泉丘高出。2012年に旭川医科大学に入学し13年からスカイランニングを始めた。16年にはユース日本代表として世界選手権で準優勝するなど、世界の舞台でも結果を残している。身長157センチ。

 2千メートル以上の高山を駆ける競技「スカイランニング」。旭川医科大学医学部6年の高村貴子さん(25)は、今年9月に英国で行われる世界選手権の日本代表に選ばれた。昨年9月のアジア選手権(山形)を制したスカイランニング界のホープは、医師を目指して学業に励む医学生でもある。選手として、医師の卵としての生活と今後の目標を聞いた。(聞き手・旭川報道部 武藤里美、写真も)

 ――スカイランニングを始めたきっかけは。

 「大学のスキー部で距離スキーに取り組む中で、先輩から『山を走る大会があるけど出場しないか』と誘われたのが最初でした。スキーの成績が伸び悩んでいたので、夏場の体力づくりとして、2013年に富良野で行われたトレイルランの大会に初めて出場しました。それまで山を走ったことはありませんでしたが3位に入賞。スポーツで表彰されたことがなかったので、喜びで競技に夢中になりました」

 ――道内大会では敵なし。全国規模の大会でも結果を残して、昨年のアジア選手権では優勝。世界選手権の切符をつかみました。

 「15年に初出場した全国規模の大会『日本山岳耐久レース30K』では4位で、日本には強い人がいると実感したと同時に『上位の人たちに勝ちたい』と決意しました。次第にスカイランに本腰を入れるようになって、平日はなだらかな起伏のある大学の周辺、週末に馬追丘陵(空知管内長沼町)や藻岩山(札幌市)、時には十勝岳に走りに行って練習します。アジア選手権では28キロを3時間15分15秒で走り、2位と29分35秒差で優勝。世界選手権がかかっていたので緊張しましたが一発勝負で結果を出せたことは自信になりました」

 ――スカイランニングの魅力と強さの秘密は。

 「魅力は自然の中を走る爽快感と、体力を出し切ってゴールするときの達成感です。同じく山地を走るトレイルランより険しい山を走ったり、はい上がったりするので持久力や筋力、バランス感覚が必要になります。3歳からやっていたスキーでバランスよく全身の筋肉が鍛えられたほか、練習で山を走るうちに尻や太ももにも筋肉がつき、持久力も伸びました」

 ――大会や練習以外の時間は医学生として猛勉強中です。医師を目指そうと思った理由は。

 「高校時代に陸上部に入っていたのですが、貧血で病院にかかったときに医師から『練習を休め』としか言われなかったことがきっかけです。選手としては練習から離れるのが不安なのですが、それを理解してもらえなかった。スポーツのことを分かって、アスリートを助けられるような医師になりたいと思いました。今の私なら、軽い筋力トレーニングなど、負担の少ない練習を提案できると思います」

 ――現在6年生。将来の夢を教えてください。

 「選手としては世界選手権でメダルを取ること。今年1月に膝をケガし、冬には満足に山を走れなかったので十勝岳、旭岳が雪どけしたら山をどんどん走って、体づくりをします。長い目で見れば、30歳までは医師をしながら競技を続けて、自分がどこまでいけるかを試したい。競技の第一線から退いた後は、陸上やスカイランなどの帯同ドクターとして、選手を支えていきたいです」

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