北海道新聞旭川支社
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ヒューマン

楢山秀明さん(65)*名寄アニモランニングクラブ監督*市民ジョギング講座を企画*生涯現役 走る喜び伝える    2016/06/16
ならやま・ひであき
1951年、名寄市生まれ。名寄高、東京写真大(現東京工芸大)工学部を経て、75年から同市の北方印刷所に入社、2001年から社長。大学時代は空手部に所属し、85年に極真会館北海道名寄支部を立ち上げた。

 名寄市で初の市民ジョギング講座「ナイトラン」が始まった。企画した「名寄アニモランニングクラブ」監督の楢山秀明さん(65)は60歳でホノルルマラソンを完走した現役ランナーだ。また、スポーツを通じて知的障害者の社会参加を支援する「スペシャルオリンピックス(SO)日本」(有森裕子理事長)の理事を務める。公私ともに走り続ける思いを聞いた。
(聞き手・名寄支局 成川謙、写真も)

 ――ナイトランは人気ですね。

 「5月18日から始まった講座は毎週水曜夜に約30人が参加、汗を流しています。クラブは2005年に走って汗を流すことの楽しさを広めようと立ち上げました。ただ、『名寄―下川間往復駅伝競走』が12年を最後に開催されなくなった後に活動は滞っていました。今回のナイトランは久々にクラブで活動できたという意味でもうれしい。何より、リレハンメル冬季五輪複合団体金メダリストの阿部雅司さんが講師を引き受けてくれたことが大きい」

 ――講座の狙いは。

 「仲間と走る、ということです。名寄には素晴らしいジョギングコースがあり、走っている人も多い。ただ、一人じゃ不安、きっかけがつかめない、という声も聞いていました。一緒に走ることで安心できるし、ライバルとして目標も立てられる。実際に参加者同士が楽しそうに走り方や大会などの情報交換をしている姿を見ると、やってよかったと思います」

 ――自身も現役ですね。

 「生涯現役でできるスポーツは何かと考え、最初に浮かんだのがマラソンでした。中学、高校は走り高跳びと三段跳びの選手で長距離とは無縁でしたが、53歳でフルマラソンへの挑戦を始め、今も週3回のジョギングは欠かしません。最近は北海道マラソンなど年間5、6大会に出場します。自己ベストは5年前に別海パイロットマラソンでの4時間57分です」

 ――SO日本の理事を務めていますね。

 「SOは1962年に米国で誕生し、日本では80年に発足しました。大会では、選手がどれだけ記録を伸ばせたかで順位を決め、参加者全員を表彰するのがパラリンピックとの違いです。世界での認知度は、現在米国で94%、オーストラリアは77%と確実に上がっていますが日本は19%。存在を全国に知ってもらうための情報発信に努めています。北海道地区では、07年に名寄地区会を設立し、近年では事務局を紋別市から札幌市に移しました。20年に道内で初の冬季全国大会開催を目指しています」

 ――今後の抱負は。

 「名寄のランニングの輪を広げることはもちろん、SOの活動を通じて『一生懸命やることは誰でも共通だ』ということを伝えていきたい。ランナーとしては、昨年まで4年連続で5時間の制限に泣かされた北海道マラソンを完走してみたいですね」


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