北海道新聞旭川支社
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ヒューマン

酒向勤さん(53)*道カナディアンカヌークラブ代表*天塩川川下り大会を開催*160キロこぎ切る感動を     2010/10/24
さこう・つとむ
和寒町の酒向自動車工業専務。23歳の時からカヌーを始め、カヌー歴は30年。1989年のはまなす国体ではカヌー選手として活躍した。カヌークラブの事務局は美深町にあり、問い合わせは美深町役場((電)01656・2・1641)の草野さんへ。

 天塩川沿いのカヌー愛好家らでつくる道カナディアンカヌークラブ。毎年夏には、天塩川川下り大会「ダウン・ザ・テッシ・オ・ペッ」を主催している。来年は節目の20回大会を迎える。カヌーの魅力や大会への意気込みを語ってもらった。

(名寄支局・鈴木圭一)

 −−まず「ダウン・ザ・テッシ・オ・ペッ」について教えてください。

 「1992年から始まったカナディアンカヌーによる川下り大会です。天塩川で7月末ごろに開催しています。名寄市か士別市をスタートし、大会ごとに40キロ前後を下り、4年間かけて河口の天塩町にたどり着きます。テッシとはアイヌ語で魚を捕る仕掛け、簗(やな)のことです。テッシ・オ・ペッとは、簗が仕掛けられる岩が多い川という意味です」

 −−川下りするには難しい川ではありませんか。

 「岩があるため所々で波が荒れる場所はありますが、ちょっとスリルが楽しめる程度の川です。うちの大会には初心者の参加も多いですよ」

 −−クラブを結成したきっかけは。

 「私はもともとカヤックの選手でした。天塩川で、カヤックの仲間を広げようとしたのですが、カヤックには安定性がなく、転覆し、しこたま水を飲んで離れていく仲間を見て悩んでいました。その時、カナディアンカヌーを思い出したのです。天塩川はカナダと同じ亜寒帯にあります。安定性もあるしこれならいいかと。初めは天塩川各地で板を使った手作りカヌー講習会を開き、作る楽しさを味わってもらいました。作ると今度は乗ってみたくなる。そうして各地で仲間を増やして1988年にクラブを結成し、大会開催へと発展していきました」

 −−今年は雨と風のために大会が中止になりました。

 「その代わりに音威子府村−中川町間で10月9日に紅葉カヌー大会を開きました。全道から34人が集まり、サケの遡上(そじょう)や紅葉に染まった渓谷の山々を楽しみました」

 −−来年は20回目の節目の大会です。

 「来年は7月中旬に、士別市か名寄市風連をスタートし5日間連続でこぎ続けるスペシャル大会を開きたいと考えています。1日40キロ前後をこぎ160キロ、約100マイル走破に挑戦します。スペシャル大会はこれで3度目の大会になります」

 −−かなりきつそうですね。 「天塩川の河口に出てゴールした時は、みんなへとへと。160キロをこぎ切った感動のあまり泣きだす人もいます。でも部分参加も可能ですので、ぜひチャレンジしてみてください。レンタルカヌーもあっせんしています」

 −−今後の夢は。

 「大会を国際レベルのものにしたいですね。天塩川の源流から歩き出し、途中からカヌーに乗り、天塩川の河口からは漁船に伴走してもらい利尻島に到着。最後は利尻山の山頂を歩いて極める。天塩の国すべてを体験できるようなビッグな大会になればと願っています。実際に海外にはそういう大会もありますから」

 

記者のメモから
冷静、沈着でどんな時も顔色を変えない。記者自身も6月のカヌー開き大会に参加。岩にカヌーを激突させ転覆した時も、酒向さんが急いでレスキューに駆け付けてくれ、私を落ち着かせながらカヌーを元に戻してくれた。
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