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昼下がりの旭川・買物公園では、初夏の光の中で若者がストリートダンスに興じていました。
村上龍「半島を出よ 上下」(幻冬舎 上一八○○円、下一九○○円)を通読しました。四百字詰め原稿用紙千六百五十枚の大長編。主な登場人物だけでも百人近くいます。
北朝鮮「反乱軍」九人がプロ野球開幕戦を行っている福岡ドームを占領し、二時間後に五百人の部隊が飛来します。部隊はテロをほのめかして日本政府を脅し、福岡を占領してしまいます。
日本政府は哀れなほどに無力です。経済的な非力さゆえに、米中に仲介を求めても相手にされません。ただ、福岡を交通封鎖する「鎖国」策をとるだけ。現状を直視しようとせず、問題解決の先送りを図ろうとします。
占領軍に唯一、立ち向かうのは少年たちです。毒虫を飼ったり、異常に銃器に詳しかったりというおたくで、社会からはみ出した少年たちです。
現状追認社会への強烈な嫌悪が伝わってきます。一方で作家は「救世主」としての少年たちに、希望を見いだそうとしています。純粋な北朝鮮兵士にも温かいまなざしを注いでいます。
初夏の光の中で踊ることができない身には少々、つらい小説でした。詰問されているような気がしたのです。「自らの行動は自らで選び出せ」と。
(高畠伸一)
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