北海道新聞旭川支社
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旭山動物園わくわく日記

自然観察会*散策、虫取り…身近に感じ、楽しむ    2016/05/09
自然観察会で散策を楽しむ参加者たち=昨年5月(旭川市旭山動物園提供)

 旭山動物園では、季節ごとの自然をテーマに年5回、園内や隣接する旭山公園で自然観察会を開いています。担当するのは、私たち飼育展示スタッフです。

 今は日本各地で、いろいろな団体が自然観察会を活発に開いています。その中で、動物園はどのような自然観察会を開いているのでしょう。その前にそもそも動物園はどのような場所でしょうか。

 動物園は動物や自然が好きな人ばかりが来る場所ではありません。学校の遠足、観光、デートなどいろいろな目的があります。

 街中で生活をしていると、野生動物と出合う機会は本当にまれです。しかし、動物園に行けば、必ず野生動物たちを見ることができます。普段あまり自然と接点のない人にとって動物園は自然との接点、自然への入り口になることができる場所です。

 そんな動物園が開いている自然観察会。普段から山の中に入って自然と親しんでいる人だけではなく、自然とあまり接点がない人や、自然と親しみたいが、方法が分からない人に来ていただければと思っています。このため、旭山では、自然を楽しむことに重点を置いています。

 森の中で静かに耳を澄ます。夜の森を歩く。虫取りに熱中する。秋の実りで作品を作る。雪の上をスノーシューで歩き回る…。楽しそうではありませんか。少し見方を変えてみると、いろいろな自然の楽しさに出合うことができます。自然は決して別世界ではありません。私たちの周りには自然があふれ、私たちは自然と共に生きています。そんな私たちの身近な自然を知り、感じ、楽しむのが動物園の自然観察会です。

 担当する飼育展示スタッフは、参加者に楽しく自然を知ってもらうために工夫を凝らした観察会を計画しています。動物園は、ただ楽しむだけで終わる場所ではありません。自然を大切にする気持ちを育むことができる場所でもあるのです。存分に動物園を活用してください。気軽に遊びに来てみてくださいね。(ニホンザル・ゴマフアザラシ担当・鈴木悠太)


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