北海道新聞旭川支社
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旭山動物園わくわく日記

雪あかりの動物園*冬の夜をさまよう感覚に    2016/1/18
闇夜に鋭く目を光らせるシンリンオオカミ=旭川市旭山動物園提供

 旭山動物園は「旭川冬まつり」に合わせ、2月6日~11日を「雪あかりの動物園」(午前10時30分~午後8時30分。入園は午後8時まで)として、夜の開園時間を延長します。

 シンリンオオカミ、エゾシカ、シマフクロウ、ホッキョクグマ、ユキヒョウ、レッサーパンダ、ゴマフアザラシ…。日本最北の動物園の旭山には冬や寒さに強い動物がずらりとそろっています。夜行性の動物も多く、昼間とは違う、冬の夜ならでは動物の様子は必見です。

 雪を踏みしめる足音とともに暗闇から響いてくる猛獣の咆哮(ほうこう)。闇夜に鋭く光るシンリンオオカミの目。闇から不意に動物の気配を感じると、体がぞくぞくしてきます。雪あかりの園内を散策すると、冬の森をさまよっているような不思議な感覚に陥ります。

 私は広報担当で、動物の飼育には携わっていません。でも、今年で4年目となるイベントについて思うのは、旭山の動物たちの魅力を感じられるのは冬、それも夜がベストではないかということです。

 動物と並んで見どころの一つといえるのが、園内をほのかに照らすアイスキャンドルです。メーンはしずく型の氷のキャンドル。日中、この珍しい形状を見た来園者から、何か特別な型枠でもあるのかとよく尋ねられます。いえいえ、型などは使っていません。しずく型キャンドルは普通の風船に水を入れて氷点下15度を下回る寒さの中で一晩つるし、翌日ドリルで穴を開け、中の水を出して完成させたものです。全て動物園職員の手作りで、製作総数は1千個を超えます。

 このイベントはまだまだ皆さんに知られていません。まずは地元の皆さんに楽しさを知ってもらい、旭川の冬の寒さや、雪深い夜の静まりかえった雰囲気などの魅力を再認識してほしいと考えています。

 今年から開園時間の延長により、平日の仕事の後や学校帰りでも楽しんでもらえるようにしました。工夫を凝らしたさまざまなイベントも用意しています。寒くても心が温かくなる「雪あかりの動物園」にぜひ多くの皆さんに来ていただければと思います。(広報担当 加藤明久)


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