北海道新聞旭川支社
Hokkaido shimbun press Asahikawa branch

旭山動物園わくわく日記

上半期いろいろ*出産次々 新たな仲間も     2014/11/03
旭山動物園で生まれたタンチョウのひな(同動物園提供)

 今年の夏期開園も11月3日で終了します。「何だかいろんなことがあったなぁ…」。そんな印象です。本格的な冬を前に上半期を振り返ってみたいと思います。

 4月、珍しく?晴天の中で迎えた開園日。春の旭山はベビーラッシュで幕を開けました。5月、シンリンオオカミ2頭出産。群れの中で産み、家族みんなで育てる。そんな野生の営みを見せてくれたオオカミファミリー。兄姉たちが巣穴を守る姿はとてもりりしく感じました。ただ、あっちこっちに巣穴を掘っては引っ越しを繰り返すのにはハラハラしましたが…。

 そしてタンチョウ。今までふ化まではありましたが、生育したのは旭山初でした。初といえばホッキョクギツネです。結果、生育までには至りませんでしたが、教訓を生かし、再チャレンジしたいところです。

 6月、シロテテナガザル「モンロー」の出産。初産なので何かと心配でした。赤ちゃんが振り落とされそうでヒヤヒヤしましたが、優しく立派な母親の顔になりました。赤ちゃんは「こだま」と命名されました。エゾシカの出産は開園中でした。生まれて間もなく立ち上がろうとする子ジカの姿は、何度見ても野生のたくましさを感じます。ワシタカ舎ではクマタカがふ化しました。地味ですか? でもスゴイことなんですよ。

 7月、レッサーパンダ出産。生後3カ月くらいは寝室で過ごしますので、お披露目はもう少し先です。サル舎にワオキツネザルとアビシニアコロブスが来園。とてもにぎやかになりました。ぺんぎん館では6月にキングとイワトビが1羽ずつ、7月にキングペンギンがもう1羽ふ化しました。この月、アミメキリンの「マリモ」が死亡しました。まだ若く、新居にもなれ「さぁ! これから」というところだったので、とても残念なできごとでした。

 開園以来の総入園者数が4千万人に達した8月、メキシコからカバの雌が来園。百吉のお嫁さんです。先日「旭子(あさこ)」と名付けられました。今後の2頭が楽しみです。

 9月、アメリカからアムールトラのペアが来園しました。今は新しい環境に少しずつなれさせているところです。

 たった半年の間にいろんなドラマを見せてくれました。さぁ、厳しい冬がやって来ます。レッサーパンダの子は外で遊んでいるでしょうか? キングペンギンのひなは散歩に出かけるでしょうか? アムールトラは雪の中を駆け回っているでしょうか? 冬の旭山、いや、冬こそ旭山! 11日から冬期開園します。輝く動物たちに会いに来てくださいね。(飼育担当主査 中田真一)


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