北海道新聞旭川支社
Hokkaido shimbun press Asahikawa branch

旭山動物園だより

手書き看板*職員が思い込めた「作品」    2011/06/10
レッサーパンダを紹介する看板と佐賀さん

 旭山動物園の獣舎に展示されている看板のほとんどは、飼育担当の職員の手作りだ。動物の生態紹介や環境問題への訴えなど、飼育現場の職員ならではの思いが込められている。

 愛くるしい姿が人気のレッサーパンダの飼育舎に今春、レッサーパンダの足の骨格標本と説明看板が新設された。担当する佐賀真一さん(31)が、4月の休園期間中の約3週間をかけた力作だ。

 「レッサーパンダのひざはどこにあるんだろう」。こうした来園者たちの会話を耳にしたことが、きっかけだった。分かりやすく伝える方法はないかと考えた結果が、新しい看板作りにつながった。

 インパクトのある骨格標本と一緒に掲示する看板は、来園者の目を引くように、文字には茶色や緑を使用。「分かりやすさ」にこだわり、説明文はできるだけ短めにして写真も付けた。

 園内には、この種の手作り看板が100枚以上ある。半年から1年ごとにリニューアルされるほか、赤ちゃん誕生など随時追加されるものもある。

 佐賀さんは「看板の変化に注目するリピーターもいますね」と笑う。

 ところで、職員同士で手作り看板の出来栄えは気になるのだろうか。佐賀さんは「批評し合うことはほとんどないが、上手な看板を見ると『やられた!』と思うことはある。看板作りを通じて、職員が互いに高め合っていますね」。職員の努力や個性がにじみでる手作り看板に、ぜひ注目を-。(鈴木雄二)


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